「漂流密室」取材記 2000年3月19日


■屋久島MAP
(白谷雲水峡案内より)

19日(月) その1

無茶苦茶「文句」編
(ええと、鹿児島に悪意とかありません。コメディのつもりでお読み下さい)

なんか、こう、出だしからつまずいたが、偶然、運が悪かっただけだとあきらめて、朝の7時すぎにチェックアウトしてタクシーに乗る。

8時発のトッピーなのである。

屋久島は「島ことば」というのがあって、鹿児島の人にも理解できないのだそうだ。
なるほど。
幻の焼酎の話が出たかと思うと、
「五千円でどう?」
ときた。
ううむ、タクシーの運ちゃん、わしに焼酎を売りつける気か。

高校のとき、インターハイで来たことがあった。
なんだか、だいぶ、イメージがちがうなぁ。
02さんに案内してもらえばよかったなぁ。
あるいはCANDY-Pさんの親戚の人に紹介してもらえばよかったなぁ。

田舎から東京に出てきた人が、よく、東京人は冷たい、と文句を言っているが、まるで、逆パターンになってるぞい。

トッピー出港。
桜島を照らす朝日がまぶしい。
海がきらきらと光っている。



月並みだな。

「にび」色の海に太陽が光の筆で・・・

ダサイ表現だ。ヤメ。

売店に行って、太田ベーカリーの「トッピーサンド」を買って食う。
30分ちょっとで指宿(いぶすき)港に着く。
どうして「いぶすき」と読むんだろう。

ふたたび、出港、いよいよ、屋久島へ。



トッピーだが、時速80kmというのは、かなり速い。
飛行機の待ち時間を考えたら、トッピーもいい選択肢だと思う。
「ジェットフォイル」というのだそうだが、「フォイル」とは、「翼」のこと。
翼の上に船が浮き上がって、45ノットで走るのであった。



(注:GMアリソン社製501-KFガスタービンエンジンは3800馬力で、それが、二基ついている。その動力を減速ギアによって、カワサキパワージェット推進機に伝えて、毎分180トンの水を噴射してすすむのだ。

トッピーの中では、窓際に沿ってひとりずつ座っているが、
「艦のバランスを最適に保つように」
という、船長さんの説明。



ゆりかごみたいで、いつのまにか、みんな、眠っている。ZZZ。

10時05分に、屋久島、宮之浦港に到着。



港の周辺の写真を撮って、環境文化村センターにいったら、月曜なので休館じゃった。
これは、しかたないな。



トヨタレンタカーに行ったら、
「12時半まで車がないのよ。それまで、そこらへんをブラブラしてきたら?」
ときた。
「どこか、見るところありますか?」
「そこの丘の上に行ってごらんよ」

行ってみた。
あった。
コンクリート製のウィルソン株の模型。(笑)

あのレンタカー野郎、人をおちょくってんのか。

腹が立ったので、もしや、腹が減っているせいかと気がついて、丘をおりて、港のホテルに行く。



 軽食・喫茶

看板に書いてある。
ホテルに入ると、誰もいない。
フロントに行って、
「レストランはどこですか?」
と訊ねると、
「どこのレストランですか?」
という、信じられない反応。
「え? ここにはレストランはないんですか?」
「ホテルの外にならありますけど」
「ホテルの外?」
「はい、そこを出られて、県道を五分ほど歩くと・・・」

ふたたび、人をおちょくってんのか。

言われたとおりに歩いてゆくと、
「まつばんだレンタカー」
という地元のレンタカー屋があったので、ダメもとで、空車があるかどうか訊ねる。
「あるよ」
すぐにトヨタレンタカーに引き返して、
「せっかく東京からやってきて、日にちがないのに、二時間もコンクリートの模造品なんか見ているほど暇じゃない」
と、予約をキャンセル。まつばんだレンタカーに切り替える。
まつばんだレンタカーは、すぐに車を用意してくれた。

いいじゃないか、まつばんだレンタカー。

親切だぞ、まつばんだレンタカー。

一気に気分爽快になり、飯を食うのも忘れて、一路、「志戸子ガジュマル園」へ。
十分ほどで着いた。
だが、誰もいない。
駐車場にバンが泊まっていて、中におじいさんが座っているだけだ。

とにかく、中に入って、ガジュマルを写真に撮る。
なかなか、凄い。
木の綱がからまりあっているようなイメージだ。
まさに、亜熱帯という感じである。





サルトルはマロニエの根を見て吐き気をもよおすのだが、わしは、ガジュマルを見てお腹が鳴る。
朝から何も食っておらんからなぁ。(トッピーサンド食べたじゃねえか)
ま、いいや。



ガジュマル園を出ると、さきほどのバンからおじいさんが出てきて、
「みかんはいらんかね」
みかんを売りつけられてしまった。
鼻に酸素吸入用の管をつけている。うーむ。
ま、腹も減っていることだし、いいか。



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