「漂流密室」取材記 2000年3月18日


■屋久島MAP
(白谷雲水峡案内より)



プロローグ

写真の最初はウチの猫。(笑)

三毛が「チビレン」。
白黒が「カロア」。
茶トラが「エルヴィン」。


あれ? エルヴィンは三毛じゃなかったのか? えへへ、ま、そーゆーことで。



写真の場面は変わって、いきなり、トッピーの出る鹿児島北埠頭です。
黄色い線が入っているのが、トッピー三号。
というわけで、旅行記、まずは、トッピーまで。



18日(日)
「久しぶりに家を出た編」

鎌倉発15時13分の横須賀線で品川へむかう。
鎌倉は観光地なので、大変な混雑じゃ。
ホームで駅員さんが何か叫んでいるが、誰も聞いてないよー。

それにしても、予約をいれたのが二日前、いつもこうなんだ。
熱しやすく冷めやすいたちだから、前々から計画なんかしたら、いきたくなくなる。
ここらへん、松尾芭蕉に似ている。(似てません)

ちなみに、この文章、中学生がよくつかう灰表紙のノートに書いている。
かなり、原始的。

羽田出発は最悪。

時間のとりかたが足りず、ギリギリになったので、生命保険にも入る暇がなかった。ヤダなー。
ま、自分が死んだら、あとのことまで考える必要はないということか。
個人的な心配癖は、書いてもつまらないので、ヤメ。

鹿児島が冷遇されているのか、JASが冷遇されているのか、バスに乗って飛行機までいった。
むかしを思い出すなぁ。(むかしっていつのことだよ)

登場する前に新聞をとろうと思ったら、前を歩いていたオヤジが、最後の一紙をとりやがった。

JASは、はじめて乗る。
自費なので、むろん、エコノミー。
前に、
「一生、おれは、飛行機に乗るときは、ファーストクラスにしか乗らんぞ」
などと、嘯(うそぶ)いていたわりには、結局、こうなるんだよな。

ビンボー反対。

エコノミーの中でも、ぎゅうぎゅう詰めになっているところと、そうでないところがあるような。
格安券だと詰められて、正規料金だと、満員でないかぎり詰められないのか?
世の中、いろいろなカラクリがあるようだ。

エアバス300、600R?
おれの嫌いな飛行機だ。
前に、デモ飛行で森に墜ちていったやつ。

飛行機に乗るたびに、墜ちることばかり考えてしまう。

離陸時のGの変化、いつものことながら・・・うげー・・・息が詰まるのじゃ・・・今日は、やけに、気流の変化が激しい・・・うげー。

偶然とは恐ろしい。
JASの機内誌「ARCAS」を手に取ったら、通巻137号だって。
137の謎。
(ホントです。おわかりにならない方は、拙著、「場」をお読みくだされ)
表紙の司修(つかさ・おさむ)という人の燈台の絵、なんだか、幻想的で、いいなぁ。

気流のせいか、定刻より遅れて、鹿児島着。
夜景がきれいだ。

空港から、なんの気なしに、タクシーに乗る。
しばらくして、とんでもないことに気がつく。
いつのまにか、高速道路に乗ってるよー。
何度も書くけど、取材は自費なので、徐々に顔が青くなる。

うげー、結局、一万円以上かかった。

しょっぱなから気落ちして、東急インへ入る。
フロントでレストランについて訊ねると、
「あいにく、本日は、貸し切りになっておりまして」
ときた。
「そうですか、どこか、外で食べる場所とかあります?」
部屋に荷物をおいて、渡された地図を見ながら、郷土料理の店へゆく。

「萩乃」? ここだ・・・うーむ、シャッターが閉まっておる。

さらに気落ちして、西鹿児島駅の周辺をウロウロ歩きまわる。
日曜の夜の八時半なので、店は、ほとんど開いていない。

場末の定食屋という感じの店を見つけて入る。
「まだ、いいですか?」
声をかけると、八十歳くらいのおじいさんがテレビの北条時宗を見ている。
わしのことをちらりと見て、再び、視線をテレビに移した。
しばらくすると、おじいさんのかわりにおばあさんが出てきた。

「カツ丼に・・・サラダできます?」
「サラダ・・・できません」
「そうですか」(野菜食べたいのになぁ)
「豚カツ定食ならサラダつきますけど」
「じゃ、豚カツ定食にしてください」(野菜が少ししか残ってないのか・・・)

出てきた定食には、山のようなサラダが・・・
???
これは、つまり、カツ丼に「タダ」でサラダはつかない、といっていたのか。
メニューにサラダってあったから、ふたつ、注文したつもりだったのだが。

ヤバイ。

そういえば、空港からのタクシーの運ちゃんにも、鹿児島までどれくらいか聞いたりしたんだけど、うまく、会話が通じなかったんだよな。
うーむ。
おれは外国人か。
 
ようやく、豚カツ定食を食いはじめたが、おやじは、北条時宗が終わるや否や、店じまいをはじめて、外の灯りも消して、自動ドアも切った。
しかたないので、食べかけで、金を払って、逃げるように外に出た。


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