第9回「ちょっと怖い?パイオニアの謎」


 ネイチャー2004年9月30日号のニュース欄に真面目な記事が出ていた。

 単なる設計ミスとも考えられるし、追跡プログラムの問題かもしれないし、第5の力のような展開もありうる。
 人類の夢を載せて太陽系の外への旅を続けるパイオニア10号と11号だが、原因不明の「力」によってスローダウンを余儀なくされているのだそうだ。

 もっとも、この「パイオニア異常」と呼ばれる問題は、今に始まったことではなく、1972年と73年の打ち上げから8年ほどたってから認識されるにいたった。
 2002年にジェット推進研究所のJohn Andersonのチームが原因を究明できなかったことから、さまざまな憶測が飛び交うようになった。

 つまり、機械の問題ではなく、重力そのもの(=つまり自然そのもの)の問題ではないか、というのである。
 とんでもないことに、ダークマターの代わりに重力理論そのものを変更しよう、という動きまで出てきた。
 パイオニアが遅くなると重力理論が変わるとは恐れ入ったが、考えてみると、人類は、いまだ月にまでしか行ったことはなく、無人探査船も太陽系の外は未知の領域なのである。

 竹内薫の悪い癖で、何か不思議なことがあると、すぐに「不思議」な説明を考えたがる。(理性に反して!)もしかしたら、人類は、太陽系よりも少しだけ大きな宇宙の「檻」に閉じ込められていて、超知性体に「飼われて」いるのではあるまいか? 超知性体は、われわれを欺くために、スタートレックのホログラムデッキのごとく、バーチャルな天体観測データによって、われわれが「広大な宇宙」に棲んでいる、という幻想を抱くように仕組んでいるのではあるまいか?

 今回、望遠鏡ではなく、実際に探査船を太陽系外に物理的に送り出そうとしたために、超知性体は、そのスピードを遅くしているのではあるまいか?
 うーん、妄想じゃ。

 でも、宇宙の起源さえわからないのが実情なのだから、これくらいの妄想を抱いてもバチは当たるまい。
 とはいえ、必要となる重力の強さの変更は、地球上の重力の1億分の1程度だというから、やはり、超知性体=動物園説はダメか(笑)



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