猫はカガクに恋をする?

 猫好き科学作家が贈る カガクと恋愛の新感覚ファンタジー


解説

●第三章

・コクマルガラス
 ローレンツが飼っていたのは正確にはニシコクマルガラスだといわれています。

・コンラート・ローレンツ(Konrad Lorenz )一九〇三年〜一九八九年

 オーストリアの動物行動学者で、「刷り込み」の発見者として有名です。コクマルガラスやハイイロガンの観察研究が有名で、さまざまな動物と共に暮らし、ハイイロガンの雛がローレンツを母親と間違えたことに端を発して、刷り込み現象を発見しました。彼は都会が大嫌いだったようです。ノーベル賞を受賞した時には、戦時中、ナチス・ドイツに協力していたことが問題となったりもしました。近代の動物行動学を確立した人物です。

 なお、本文中の「ソロモンの指輪」は、早川書房より日高敏隆さんの訳で出版されています。また、本文中で香鈴が拾って育てたカラスの子の話は実話に基づいています。目も開き、羽根も生えはじめている鳥の雛がなぜ、一時も離れぬほど人間になついてしまったのか、作者にも理由は未だに判っておりません。

 また、ロートゲルプを飛び立たせたフランツ・ヨーゼフ公の軍旗は、恐らく誰かに盗まれたりはせず、そのままローレンツ家に保管されていたのではないかと作者は想像しております。

 一九〇三年 ウィーン近郊のアルテンベルクに生まれる。当初はウィーン大学で医師の資格を取るが、その後動物学を学ぶ。ケーニヒスベルク大学、ミュンスター大学の教授職につく。その傍ら、公私ともに動物達と暮らし、その生態を観察・記録している。

 一九七三年 ニコ・ティンバーゲン、カール・フォン・フリッシュと共にノーベル生理学賞・医学賞を受賞

 一九七四年 オーストリアに戻り、オーストリア科学アカデミー動物社会科学研究所の所長に就任

 一九八九年 二月二十七日 没

・参考URL
ローレンツを親だと思ってついて歩くハイイロガン
http://cas.bellarmine.edu/tietjen/Ethology/lorenz.gif
ニシコクマルガラス
http://homepage3.nifty.com/shibalabo/crow/japan/japan.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/ニシコクマルガラス
シーザーズ・フラッグ
http://www.fotw.us/images/a/ah-1.gif


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