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前人未踏の領域に挑む本格ミステリー。予告された殺人の画像が招く死の饗宴。 |
■STORY 新橋駅から歩いて五分のおもちゃ屋で殺人があった。黒猫のぬいぐるみの中に隠されていた少年の死体、なぜか微笑んだ顔と紅い目をしていた。そして、警視庁科学捜査班の班長木田務へのメールで知らされた第二の殺人予告。 『ツァラトゥストラの下僕を捜せ』という犯人からのメールには、ご丁寧にも被害者の画像が添付されていた。被害者はら茗渓大学の助教授、五月あきら。木田の友人である非常勤講師湯川幸四郎の同僚だった。 死亡推定時刻は午前一時前。しかし、木田に届いたメールは午後九時三十五分。三時間以上前に、まったく同じ姿をした遺体の映像がとどけられたのだ!?湯川幸四郎は同じ大学の事件ということで、木田に協力を依頼されるが・・・・・。 |
村上和雄氏(筑波大学 名誉教授) 量子コンピュータという未踏の領域に挑んだフィクションだ。先端科学の領域は専門外の人間には踏み込みにくいイメージがあるが、その面白さははかりしれない。湯川氏の描く科学こそがミステリーだ。 都筑道夫氏 『虚数の眼』を読み終わって、小栗虫太郎を連想した。目のくらむような最新知識の洪水、魔法の力によるような怪事件の連続、しかし、おどろおどろしさのないところは、二十一世紀の虫太郎というべきか。華やかな新人の登場である。 |
徳間書店 ISBN4-19-850471-7 |
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