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エンジョイ読書 目利きが選ぶ今週の3冊 |
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クマムシ?!
★★★
何年生きるのか? 凍らせても、乾燥させても本当に蘇生するのか? 不死身との噂もある不思議な「クマムシ」の謎を豊富なイラストとともに解明してくれる。
(岩波書店・1300円)
「左利き」は天才?
デイヴィッド・ウォルマン著
★★★
なぜ人間は左利きが少ないのか。左利きを巡る歴史から脳との関係、発生学まで、様々な角度から「利き手」について考察を重ねた一冊。梶山あゆみ訳。
(日本経済新聞社・1600円)
ガイアの復讐
ジェームズ・ラブロック著
★★★★★
異例だが、来日中のラブロック博士に直接お会いして、話を伺った。
ガイアとは、「生きている地球」のことである。大地と大気と生き物は、「共生」することにより、ガイアを適温にし、大気組成を調整してきた。
本書のキーワードは「復讐」だ。人類は、共生をぶち壊しにし、今や、ガイアは瀕死の状態に陥ってしまった。
しかし、本書は、ありきたりの地球温暖化の本ではない。博士は、発熱が止まらないガイアの特効薬として、現時点では原子力発電しかない、と言い切るのである。
原子力に不安をもつ人に対して、博士は「原子力に頼らなければ、人類は恐ろしい結末を迎えるであろう」とガイアの終焉を予言する。
博士から読者へのメッセージを預かった。
「地球温暖化で大陸が干上がっても、島国である日本と英国は生き残る。だが、そこには全世界から難民が押し寄せることだろう」
はたして、われわれはガイアの復讐を免れることができるのか? それにはどうすればいい? 本書は、孤高の天才科学者兼作家による、真摯な警告の書である。秋元勇巳監修、竹村健一訳。
(中央公論新社・1600円)
(日本経済新聞 2006年11月1日掲載)
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